Prologue
「コーヒー豆は遠く南米やアフリカからやって来るんだ。ここはコーヒーが少し立ち寄るだけの場所だから、コーヒーが無事にお客さんと出会えるようにしなきゃいけない」
これは映画『さいはてにて~やさしい香りと待ちながら~』に登場するセリフです。ロースターとバリスタはまさにそんな存在だと思います。コーヒー業界に携わってきて、南米やアフリカの産地を訪れたら、その国や産地、農場の雰囲気、生産者の気持ちがよりお客さんに伝わるのではないかと漠然と思っていました。メディアや本などを通して感じることにはどうしても限界がありますからね。
そんな中、TYPICA Labから声がかかり、エチオピアの産地に行くチャンスをいただきました。思いがけないプレゼントをもらったようで、当初は実感が湧きませんでしたが、最近、同行する韓国のロースターたちとオンラインで話すようになって、ようやく実感が湧いてきました。しかも、世界中のロースターや現地の生産者とさまざまな情報を共有できる場になるんです!
素晴らしいチャンスをプレゼントしてもらったことに感謝します。産地に到着して発信する私の文章や写真が少しでも誰かの役に立てればと思います。
今回の産地訪問を通じて抽象的だった印象が具体的になり、漠然とした期待が現実に近づくことを願いながらプロローグを終えます。