コーヒーは暮らしを豊かにする[#2]
半日が経って、地球の裏側にいることを再び思い出した。
今日は長距離を移動するとは知らずに車に乗った。
農園では、処理工程やコーヒーのグレードの基準について学んだ。判断基準は自分の知識とは少し異なっていた。でも、彼らの経験に基づいた基準だったから信頼できる。
Wete農園では、コーヒーの苗木を植える機会があった。
一本のコーヒーノキを植えることができて感動した。きっと色んな思いが込められているだろう。
Weteでの素晴らしい体験を終え、移動を再開した。涼しい風が吹いていて、青々とした木々が見えた。
これらの木はユーカリとチャートだという。移動している間によく耳にした。
ユーカリとチャートは周囲の土壌の水分を吸収して土を乾かす。
コーヒーノキの代わりにユーカリやチャートが植えられていた。
彼らの苦しい生活は理解できる。
生産国の土が乾き、環境が悪くなっていく。
しかし私は何もできない。消費国の人間とはいえ胸が痛い。
厳しい現実とは対照的に、子供たちの明るい笑い声が聞こえてきた。
恵まれていなかった子供の頃を思い出した。
コスタが建てた学校に立ち寄った時、笑っている子供たちが見えたが、いい気分にはなれなかった。
コーヒーの意味は、消費国と生産国では違う。
経済的な面で生産国の人々の暮らしを支えるコーヒーは、私たちにとっては一日の小さな喜びだ。
初めてコーヒーに触れたときのワクワク感が、今日初めて心の奥深くまで染み込んだ。