未来への仕組み作りの物語り

世界の遠くのあの国で育まれたコーヒーを、世界の遠くのこの街で飲む。

これだけグローバル化とオンライン化が進む世の中でも、ことコーヒーに関しては誰がどう関わって自分のもとに届けられているのかはなかなか見えにくいままです。ありがたいことに現地に駐在している商社の方から情報は入ってくるし生産地の写真やこだわりのコメントは入ってくるけれど、単なるいちコーヒー屋として日々届けられるたくさんの情報に触れていると、どれも似たような、フラットで熱のない記号に思えてきてしまいます。コーヒー屋がそうなのであればその先にいる消費者はなおさらだと思います。

TYPICAが始めたこのダイレクトトレードの仕組みは、生産者と焙煎屋がよりオンタイムで繋がることを支援してくれるだけでなく世界中の焙煎屋同士も繋がれるようにと考えてくれています。コーヒーに関わる全てのコミュニティの、これまでとこれからの文化が繋がっていくための始まりが、このTYPICA Labにあるような気がしています。

日本の焙煎屋みんなで現地に集まって農家さんと話をして、そこで湧き出るアイディアや感情をしっかりと意識的に言語化して表現していく。これを始まりとして海外の焙煎屋も彼らの文化に基づいた物語りを作っていくと思うので、次のLabで起きることに繋がっていくような日本からの物語りにしたいですね。

そしてなにより個人的に実現してほしいカタチは、世界中の生産者と世界中の消費者がオンタイムで現状を共有している未来。具体的な仕組みは全然想像できないものの、そんなことが実現するなら今なお続く貧困や搾取の問題も自然と解決されていくような気がします。それに繋がるようななにかをTYPICAならやってくれるんじゃないか!と思いを膨らませながら、また、自分を選んでいただいた意味を考えながら今回の物語りに参加したいと思います。