ペルーの旅、開幕
9/15〜 ペルーの旅、前編
ボリビアの旅を終え、昨日ペルーにやってきました🇵🇪
首都のリマでボリビア組とお別れし、約90分のフライトでカハマルカ地域のハエンという都市にたどり着きました。



長閑な景色が広がる田舎の空港から街へ向かう途中、有名なコーヒーエクスポーターの倉庫がいくつもありました。その他にも、カカオやお米などの農業が盛んな地域のようで期待が膨らみます。
ホテルの周りにはお店がたくさんあり、夜ご飯はカルティバーのセオドロスさん、シーザーさん、ドレイディさんが街で1番美味しいポヨ(ローストチキン)のお店へ連れて行ってくれました😌


翌日、街から車で3時間弱移動し、標高約2,000mのタバコナスという村に辿り着きました。
Susana Alcarón、女性農園主の通称”スージー”さんの名前を覚えているお客様も多いと思います。一昨年買付けし、その芳醇で豊かな風味に多くのお客様が魅了されたコーヒーを作った人です。




想像通り、美味しいコーヒーが育つ条件が整った素晴らしい場所でした。しかし、私の想像とは裏腹に…スージーさんファミリーはとても貧しい暮らしをしていることがわかりました。
ボリビアでお邪魔した農園には、チェリーやパーチメントの乾燥台がちゃんとあり、風通しの良い場所で乾燥がされていました。
乾燥の工程は非常に大切で、どんなに熟したチェリーを収穫しても、発酵工程が適切でも、乾燥工程が上手くいかなければコーヒーの味は台無しになってしまうことを私たちは学んできました。
しかし、スージーさんの農園やその周りの農園でも、アスファルトや土の上にビニールを敷き、そこで乾燥がおこなわれています。気候によってクオリティが大きく変化してしまうため、昨年は品質が悪くオファーが出せなかったそうです。


また、栽培する品種もカティモール(病気に強い品種だが風味があまり良くない)をメインで栽培しているため、良い値段で取引することができません。
こんなに素晴らしい土地で、最高に美味しいコーヒーが作れるはずの場所で…なぜ…
スージーさんからお話を伺うと『病気でコーヒーが育たなくなるのが怖いから、病気に強い品種を育てたい』『乾燥台があれば品質が上がるのはわかっているけど、購入するお金がない』と話してくれました。乾燥台っていくらくらいするの?と聞くと、日本円でおよそ7万円ということをカルティバーのドレイディさんが教えてくれました。
スペシャルティコーヒーは生産者の生活を豊かにするんじゃないの?一昨年スージーさんのコーヒーを購入したけど、それは生活を豊かにするんじゃなくて、あくまで生活を維持するための最低限のお金に過ぎないのか…?
本当にショッキングな時間で、なんだか悔しくて泣きそうになりました。
スージーさんに『乾燥台を購入するお金を僕が用意するから、一緒に美味しいコーヒーを作ろうよ!』と提案をしたら、それまでほとんどなかった笑顔を見せてくれました。約束ね!と握手を交わしました。

カルティバーの方々もどうやってこれからスージーさんを後押ししていくか、一緒に考えてくれると言ってくれたので心強いです。
現実を目の当たりにした1日であり、現実に向き合って動いていこうと決めた1日でした。
ps.農園訪問の途中、有里が体調不良でダウンしてしまいました。おそらく重度の脱水症状。高山病の薬の副作用もあったのか、かなり辛そうで見ている自分まで辛かったです。
みんなに迷惑をかけたくない…そう思ってずっと気を張って頑張っていて、お腹の調子も悪かったからか水分を十分に摂取していなかったのが原因かもしれません。私もちゃんと気を配れておらず、防げたかもしれない有里の体調管理ができず苦しい思いをさせてしまいました。。そして貴重なロースターのみなさんの予定を潰してしまい…申し訳ない気持ちでいっぱいです。
村の方々やカルティバーのみなさん、ロースターのみなさん、サポートのまいさん、みんなたくさん心配してくれて本当にありがとうございます。
明日は宿に残り、有里の体調が少しでも回復するように隣でサポートしたいと思います。
明後日、また元気に動けるように私自身の体調管理にも気をつけて過ごします!
長くなりましたが、それではまた👋