決心と確信
もう随分も前のことだけど、「コーヒーを仕事にしよう!」と決心した日があった。ただ、きまって決心というのは自分の思いを破ってしまいそうなときに誓いをたてているような気がする。当時そこに信念はなく、ただただコーヒーカルチャーはかっこいいという憧れだけが存在していた。
勢いよくコーヒーショップに履歴書を送るもすべて撃沈。結局スペシャリティコーヒーを扱うバリスタになりたいという夢は学生時代に叶うことはなかった。
それでもコーヒーの美味しさや鮮やかなフレーバーに魅せられて、毎週休日になると実家の茨城から東京へと、常磐線から山手線へと乗り継ぎ2時間かけて都内のコーヒーのセミナーやカッピング会をはしごした。
コーヒーは飲めば飲むほど広がっていくもので、人との出会い、文化や多くの素晴らしいコーヒーとの出会いは当時の決心を確信へと変えた。間違いなくコーヒーは人を癒し、驚きを与え、ときに、生きがいとまでなり得る。
コーヒーを好きになって6年が経った。仕事にしはじめたのは3年前。焙煎を始めてまだ1年にも満たない。
今はただ、自らの身体で、視点で初めて訪れる、まだ見ぬ土地に心が躍っている。
土地と土地、人と文化のつながりは一体何を生み出すだろうか?
コーヒーに関わるすべての人が誇れる世界のために、自分は何ができるだろうか?