エルサル1日目

エルサルバドルはカフェノルというエクスポーターが案内してくれます。カフェノルの設備はメタパンという街にあり、ものすごく急な坂を車で登っていくと素晴らしい眺めのラボが見えてきました。途中の農園は相当急な崖でコーヒーが栽培されていて、こんな過酷な条件でないと美味しいコーヒーは育たないのかと改めて思い知らされました。まず最初にラボでカッピングを行います。この後農園の人に会うので先に気に入ったカップを決めておいて欲しいとの配慮でした。エルサルも21カップだったので、もっとカップをとりたかったですね。ブルボンのウォシュトとパカマラのナチュラルを2種類気に入ったので、購入を希望しました。これも他のグループ待ちとのことで買えるかどうか心配ですね。だいたい欲しい豆は同じになるものなので。

ラボの横にドライミルとウェットミルがあるので説明を受けました。全体的にかなりエコにフォーカスしたミルのようで、電気は100%太陽光発電、風力発電も計画中で、ミミズを育ててパルパーを食べさせ堆肥を作って肥料にしています。ドライミルのコーヒー豆の選別も、最終工程では近所の女性が行っていました。機械を使うことによって彼女達の仕事を奪うのが心苦しいようです。またカッピングスコアの高いゲイシャ、J A V A、ティピカ、S Lの苗も育てていて、積極的に栽培の幅を広げています。エルサルバドルは政治的な不安でコーヒー豆が減産し、古すぎる木が多くなっているところでは新しい苗を植えたりしているので、それも減産につながっているようです。生産量は少ないがクオリティーを上げて勝負、精製方法が正しいのでクオリティーが長持ちすると考えているとのことでした。私自身の経験では、エルサルバドルのコーヒー豆は品質は良いのですが、劣化するのが少し早い印象があったので、これを聞いて安心しました。コーヒーのすべての部分を商品にするという意味で、カスカラは作らないのかという質問も出ましたが、カスカラは安全面の保証ができない(汚い)ので、絶対作らないとのことでした。プリマベーラも同じ見解のようなので、そうなんだと思います。聞いてみないと分からないですね。

説明を受けている時にかなり体調が悪くなってきたのですが、水を飲みまくって何とか踏ん張って最後まで説明を聞くことができました。

その後小規模農家さんと懇談会がありました。カフェノルが施設を持つ前は農家が個別に精製していたようですが、農家の数が増えてきたのでこの場所を作って精製をサポートし始め、現在は90の小規模農家を支えているそうです。小規模農家は、年間の生産量は1.5ー1.8トンで5-6人の従業員ぐらいのところが多いようです。日本のマーケット向けにナチュラルを作っているところが多く、アメリカ、ヨーロッパはナチュラル感が少なくウォッシュトの方が受けがいいようです。今日の生産者さんはメタパンの人で私の気に入ったチャラテナンゴの方がいなかったので、明日のチャラテナンゴ訪問でより突っ込んだ質問をしたいと思いました。

その後ラボで旅の中間レビューを行い夕日の見える湖でディナーの予定でしたが、中間レビューが遅くなって全く夕日が見えなかったのが残念でした。カフェノルの方がせっかくアレンジしてくれたのが活かされず、レビューを湖でやればよかっただけなのにと悔やまれました。虫だらけで大騒ぎの中、野外でディナーをいただき本日は終了です。