CafeNorのミルを訪問

大移動を終えて、エルサルバドルでの1日目は宿泊地の近くにあるCafeNorのミルを訪問。ここでは2班に分かれてミルの見学とCafeNorの今年のオファーサンプルをカッピングする。

最初にカッピングをするのは、この後MetapanやChalatenangoの生産者さん達とお話をする機会があるから。カッピングをした後にそれらのコーヒーの実際の生産者さんと交流を深めて欲しいというアレハンドロの配慮だ。実に嬉しい。

ミルにはCafeNorの事務所も併設されておりとても景色が良く気持ちいい。将来的にはここでグランピングを出来るようにするらしい!そうなったらまた絶対に来ないといけない。

ウォッシュド精製の設備。あたりは水源も豊富との事だが、このパイプを水が循環し、再利用しながらチェリーを水洗するように出来ている。

コーヒーチェリーを有機肥料として再利用する試みにも挑戦していた。

アレハンドロがほじくり返すと、たくさんのミミズが出てきた。ミミズ達がこのチェリーを良質な土へと変えてくれる。黒いシートを下に敷いているのはミミズが土壌に逃げてしまわないようにするため。ここでミミズの数を増やし、この層をどんどん増やし、大量のチェリーのカスを有機肥料に作り変えていく。やはり土を耕すのはミミズなんだなぁ。

パカマラ、ゲイシャ、ブルボンなどの苗も育てられていた。アレハンドロの持っている農園やCafeNorと取引のある農家さんが使うそうだ。

アフリカンベッドの乾燥台。下から順に乾燥させて行き、乾燥状態の進行により上の段に移動させて日光に近くなっていく。乾燥台のど真ん中に木が生えているのは木をなるべく切らずに設備を作るための配慮だ。

ムラなく乾燥させるために、手作業で豆を入れ替えていく。コンクリートパティオとかではトンボ?のような器具でやる工程だ。

ドライミルの中。手作業で欠点豆の除去を行なっている。

機械による豆の選別。これらの機械は全て太陽光発電で稼働している。

太陽光による発電と電力の使用量なども管理。例えば電力の消費の多い機械などは天気の良い昼間に動かすなどの工夫をしている。

ガジェット大好きなアレハンドロはドローンで撮影とか大好きである。笑

先にカッピングをしている班との入れ替えまでの間、アレハンドロからこのミルに対する思いや考えを聞くことができた。

アレハンドロがこの地にミルを構えてCafeNorを作ったのは3年前。ここにミルを作ることにより森に与える影響など、かなり調査してひとつひとつ積み上げるように設備を構築してきている。例えば従業員が何人働きに来ていて、彼らは1日にどのくらいトイレに行くか?とか、機械の稼働状況もそうだ。このミルが排出する二酸化炭素に対して、この森が吸収してくれる量のバランスを考えて作業している。CafeNorの麻袋に書いてある、CARBON NEGATIVE MILL。その意味を改めて深く感じることができた。

アレハンドロにとって、この森の木の1本1本も全て銀行の貯金のような資産だと言う。失うことの無いように環境に配慮し生産を続けていく。

そんな彼を慕って取り引きをする農家ももうすぐ100に上るという。

小規模生産者を思い、環境や自然に配慮し、一歩ずつ着実に成長をしていくアレハンドロのCafeNorを応援したいと思わない訳がない。

うちのような小さなロースターでは豆を買える量も微量ではあるが、毎年少しでも多くの豆を買い続けられるように頑張りたい、そう思った。