新しい波へ
最初にTYPICAから連絡があったとき、私は感じた。コーヒー業界の新しい波が押し寄せたことを。
コーヒーを扱う人々の夢の一つは、産地を訪れ、コーヒーが収穫される様子や加工される様子、私たちのところに届くまでの過程など、生産者からお客様までのすべての過程を体験することだろう。
しかし生豆貿易会社やバイヤーでなければそれは現実的ではない。
それでも、TYPICAは私たちにチャンスをくれた。コーヒーの誕生を目撃するチャンスを、コーヒーが好きで、コーヒーを愛し、もしかしたら死ぬまでコーヒーと一緒に過ごす、人生のパートナーのようなコーヒーを研究する人たちに。
私がコーヒーを始めた頃は、サードウェーブが盛り上がり始めていた。周りのバリスタやカフェの経営者たちとは、「とうとうスペシャルティコーヒーや浅煎りが一般人の生活に浸透し、市場が拡大するだろう」と話していた。しかし、数年が経った今でも、コーヒー業界はサードウェーブの中で波紋のような成長をしていると感じる。もちろん、科学的な成長とデータベースは続けて蓄積され、焙煎や抽出に関する新しい情報や今まで見たことがなかった新しい機械などは驚くほど速く成長していると感じた。しかし、これからコーヒー業界に新しい歴史を刻んでいく大きな波は何か見当もつかなかった。
TYPICAの存在を初めて知り、生産者と初めてダイレクトトレードを行っていた時点でも、ただの波紋だと感じた。しかし、TYPICAの活動を見守り、TYPICA GUIDE、TYPICA Labなど、これまでなかった新しい試みから、TYPICAはコーヒー業界を揺るがす巨大な波を起こしていくかもしれないと思った。
これまでスペシャルティ(または浅煎り)コーヒーが韓国で一般人にアプローチしづらかったのは、マニアックな要素が大きい、カフェインのせいでコーヒーが飲めない人も多い、眠気を覚ます目的で消費される部分が大きいといった理由があると思う。このような問題を解決するためには、コーヒーに関する基礎的な知識と、自然に味を区別できる味覚が日常に染み込んでいる必要があるが、これらはマーケティングやメディアを通じて解決できると思う。
この考えをもとに、TYPICAが従来のレストランで行われていた評価システムをコーヒー業界に導入した「TYPICA GUIDE」や、ドキュメンタリー形式の映画を制作して映画や様々なメディアで公開する「TYPICA Lab」などは、親しみやすく一般人に近づく大きな一歩だと思う。
このようなコーヒーの新しい波の中を、私たちLAVATREEが一緒に歩いている。TYPICAに無限の感謝を。
もうすぐ、グアテマラ、エルサルバドルへの旅が始まる。コーヒーがすべての人々にもっと身近になるよう、私もできるだけ多くの情報を記録していきたいと思う。
これからの旅がとても楽しみだ。