まずはじめに、(後半)
生産地滞在記を書く前に、
TYPICAという存在がロースターの私にとってどのような存在か共有します。
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私はロースターとして生豆を仕入れるときに2つの選択肢があります。
①商社が仕入れた生豆を小分けで購入する
②生産地に赴きダイレクトトレードする
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選択肢は2つあるものの私は全て①のやり方で仕入れています。
②のダイレクトトレードは18トン入るコンテナを何セット購入するかという規模感で取引がされます。
私の焙煎量は約3トン/年なのでとても身の丈に合っていません。
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輸出入の手続きや船の手配はエクスポーターと協力しながらも自分で行う必要がありますし、
入港する時はコンテナごと一気に届くので倉庫の手配も自分で行わなければいけません。
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そんな私にとって第3の選択肢
それがTYPICAです。
TYPICAのサイトを見ると
麻袋1袋(60kg)からダイレクトトレードが出来ると記載していますが、
その通り1袋から取引が出来ます。
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先程18トンを何セット買うか。という規模感をお伝えしたので
60kgから取引できることがいかにロースターにとって魅力あることかお分かりいただけるかと思います。
そして船の手配や倉庫の手配はTYPICAが行ってくれます。
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鋭い方はそれでは普通の商社と変わらないじゃん!と思う方がいらっしゃるかもしれません。
私からすると全然違います。
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まずはじめにトレーサビリティ。
生産者、エクスポーターの方にいくら対価が支払われているか知ることが出来ます。
運送代なども各フェーズでどれくらい費用がかかっているか確認できます。
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そしてコミュニティ。
エクスポーターといつでも連絡が取り合えるようになっています。
プロセスに疑問があれば質問できますし、品質についてフィードバックを送ることが出来ます。
生産者に直接話したいとなれば間を取り持ってくれます。
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日本に到着したコーヒーからサンプル焙煎した[アライバルサンプル]では無く
日本に到着する前にサンプルを取り寄せ焙煎した[オファーサンプル]をカッピングするのもTYPICAならでは。
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私はTYPICAのサービスを利用しはじめて3シーズン目になりますが、
TYPICA立ち上げ時に配信されていた山田さんと藤井さんのインスタライブは今でも忘れません。
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「日本のロースターはサスティナビリティの本質をもっと知らなければならない」
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1にクォリティ、2にクォリティ、3にクォリティの考えの私にとってハッとさせられる内容でした。
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私はTYPICAのサービスを利用する前から商社に恵まれ素晴らしいコーヒーに囲まれていました。
それでもTYPICAとの取引をはじめたのはコーヒー産業において目を向けなければいけないことが沢山ある事に気づいたからです。
TYPICAのサービスを利用することでその気付きから解決に至るまでのヒントを得ることが出来ます。
TYPICAを知る事で商社の有り難みもより一層強く感じます。
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何よりTYPICAを通して仕入れた生豆は商社から仕入れた生豆とは違った” 思い入れ “ があるのです。
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新しい選択肢と価値観を生み出した存在、それがTYPICAです。
稚季(弟)