コーヒー、そして人間。


坂に植えられた木。
坂で干すアフリカンベッド。
坂は傾斜が大変だが、ダイナミックだ。
あの坂を掃いていく昼の熱気と夜の涼しい風がダイナミックなシダモの味を作り出しているだろう。

現在、エチオピアのスペシャルティコーヒーの中心地ではないかと感じるシダモの農園。
収穫が終わり、静かな農場を見下ろしながら、
わずか数日前まで多くの人が忙しく働いていた場面を想像してみる。

たくさん出してくれる食事とコーヒーセレモニー。エチオピアに心を開く。

それは今さらながら、いつも感じていたコーヒーの力でもある。

エチオピアの子どもたちは、急な坂道の上に立っているようなものだ。
彼らは諦めたり、疲れて、坂道を登るのを止めたがったりするかもしれないが、
坂で止まれば転がり落ちるだろう。
学校を建てた財団・コスタと共に、TYPICAはそういった状況を解決するためにサポートしている。
都会の人々を幸せにしてくれるこのスペシャルティコーヒーは、彼らの貧しい暮らしや人生に何か貢献できているのだろうか。


Wete農園の配慮で、コーヒーノキの苗木を植えた。
コーヒーノキ一本に注ぐ情熱と期待感。
ところで、子供一人には何が与えられているのか。
人よりも商品としてのコーヒーが優先されるのなら、とても残念なことだ。
ただ単に流通される作物だと思っていたコーヒーが、少しは重く感じられた瞬間だった。
一緒に生きていくことが難しく感じてきた。
できることからはじめよう。
コーヒーを始める時もそうだったように。