初心を求めて

自分のカフェを経営して

10年目に入る

心の奥にずっと秘めていた一つの夢

いつか

自分で産地に赴き、豆を探す

コーヒーの世界のルーツを探る

十年で一振りの剣を磨く、というが

日々人生への熱意が摩耗し、

「コーヒー」と朝夕を共にし、

「カフェ」から一歩も離れず

「子供」と離れられず、

「私は誰なのか」をほとんど忘れていた

人生はこんな感じなのか?

もっと面白いことがあるはず

私が見つけるのを待っているはず

楽しみな素晴らしいことがあるはず

私が探すのを待っているはず

TYPICAが産地訪問に連れて行ってくれると知り

人生の希望が再度燃え上がった

「エチオピア、そう、エチオピアだ!私はエチオピアにいくぞ⋯」

あの時の花と果実のはじけるような香り

それがコーヒーを全く飲まない人を

深く引き付け、感動させた

あの香りの背後のストーリー

きっと深いものがある

きっと興味をかき立てる

一緒に起業した夫

その根底には

10年前

勢いで起業し

青春の日々を

全てカフェと2人の子供にささげた

もちろんそれらが私たちに与えてくれたものもある

もっとも真摯な試練と成長

今日

彼らも大きくなった

独立し、自分のこともできる

私たち夫妻も一歩を踏み出さなくては

あの頃の「あえて踏み出す」勇気を取り戻す

店や子を置いて「自分を取り戻す」

失った美しさを取り戻す。