Tanzania Day5-6(Kenya Day1)
サステナビリティ、コーヒー業界の好循環をどのように作っていけるか?
どんな取引も「需要」と「供給」の上で成り立っている。
サプライヤーは市場を見極め、すでにニーズのある商品を供給するのか、それとも新しいニーズを生み出していくのか?
ロースターの立場から言うと、お客様のニーズは何か、または、どんな新しいものを創り出し、彼らに選択肢を提供できるかを前提に生豆を購入している。
それは音楽のようなものだ。以前はカセットテープだけしかなかったが、CDの出現は新しい選択肢を生み出した。あるいは、携帯できるiPodなどの製品が発明され、音楽を聴く人々にもっと多くの新しい選択肢を与えてくれた。
すでに需要が安定している産地の生豆、安定した品質の生豆を選ぶことは、ビジネスを安定させるために重要なポイントである。また、新しい産地の生豆の種類を試すことも、お客さんに新鮮な体験を提供するうえで重要である。お客さんの好奇心を刺激し、マーケットできらりと光るものを創り出し、他者との差別化を図ることができる。
生豆の商社やTYPICAのようなダイレクトトレードのプラットフォームを運営する立場に立つと、同じようにオファーする商品のポジショニング、つまり世界各国のロースターが何を求めているのか、小さくとも高価格帯のマーケットを狙うのか、それとも大規模な一般市場を狙うのか。それを見つけ出して互いに協力し、需要と供給が一致する市場をターゲットとして推していく必要があると思う。
しかし、エンドユーザー、ロースター、生豆サプライヤー、生産者、どんな人であろうと、みんなそれぞれに「選択」があり、その選択は「競争」を生み出す。
エンドユーザーは価格を基準に、求めるものを選択する。
ロースターは、価格、フレーバー、安定性などを考慮し選択する。
生豆のサプライヤーは、価格、特殊性、量、安定性などを考慮して供給する生豆を選択する。
生産者は、自分自身の理想、栽培状況によって、どの品種のコーヒーを栽培するのか、また、どのようなコーヒーを生産するのかを選択する。コマーシャルコーヒー?スペシャルティ?または、両方?
複雑なのは…この業界の全ての層の人たちは皆、自分の立場があることだ。だからこそ、「サプライヤー」と呼ばれる会社は、この業界の中で生き残りを図りつつ理想を実現するバランスを取るのが非常に難しい。
ロースターは、自分の好みの豆を好みの焙煎度合いで焙煎し、お客様の心を打つ方法を考える人もいれば、市場の需要に合わせて自分の焙煎を調整する人もいる。もちろん、それを両立している人もいる。
生豆のサプライヤーやTYPICAはどうだろう?
未来へ続く道の選択
持続可能な産業を実現するためには、好循環のつながりをつくらなければならない
幅広い層のニーズを創造し、大きな反響を生み出すことでサステナブルに向上していくためのエネルギーを生み出すことができると私は思う。