Asante!
asante ありがとう!
タンザニアでの楽しみは、コーヒーマーケットでも人気のあるンゴロンゴロ地区の農園訪問、取扱いのあるコンゴニ農園を見学できること、それとサファリ(笑)だった。
一方、ケニアでは、ずばり美味しいコーヒー。ピーターのプロデュースする濃厚で圧倒的に果実感のあるこれぞ、ケニアスペシャルティーと言えるコーヒーを味わいたい。焙煎マンとしての期待しかなかった。




ケニアは紅茶の文化らしいが 見学したカラニファクトリーの小規模農家さんは休憩するときも紅茶を飲み、コーヒーを飲んだことが無いという事を聞きショックを受けた。商品を知らずに良い価格で売るのは難しいだろう。農家さんもコーヒーの美味しさを知り、自分達の生産するコーヒーの価値を理解することでさらに魅力的なコーヒー栽培に取り組めるのではないだろうか
土壌のポテンシャルだけに頼っているなら気候変動も含め、今後のケニアコーヒーの将来に気掛かりな要素を感じてしまう。




ケニア最大産地としてしられるキリニャガ カラニ農園での収穫体験後、キリニャガ(Kirinyaga)とニエリ(Nyeri)のエリア違い、AA.ABグレード違いのコーヒーをカッピング。
同じエリアでも区域によって水や多少の気候の違い、風の送り方などプロセスも違うので、ベリー系、オレンジ系と特徴に違いが出てくる。収穫は二期作となるそうで雨季(3月~5月)が産みだすメインクロップと、9月・10月の小雨季が産みだすアーリークロップがある。
今回カップしたのはアーリークロップ 率直な感想は果実感やボディ、甘さに物足りなさを感じた。カッピング後のディスカッションでピーターは風味の弱さの理由としてアーリークロップであることを何度か挙げていた。それでも11月後半、12月のものならもっと良いパフォーマンスが得られると自信有りげにも話していた。

ケニアのコーヒー取引にはオークションという不可解な「法律」の影響が強くあり、大手企業は市場の透明性を欠如させることによって大きな利益を得ているそうだ。
ケニアコーヒープロデューサーであるピーターは、小規模農家さんとの関係性を構築してよりクォリティーを高め、ロースターと生産者をダイレクトにつなげて革命を起こす。
強い信念をそう語っていた。その言葉に期待して次なるオファーを心待ちにしたい。

この旅を共にした若きロースター達のお陰でとてもエキサイティングな10日間を過ごすことができた。長いコーヒー人生ですり減っていたコーヒーに対する熱い想いを新たにチャージするには最高な体験だった。今回の旅を支えてくれたすべてのひとに感謝したい。