新しい火

火を囲むことは私たち人間にとって特別な意味を持つ。それは私たちのDNAや、種としての記憶に息づいている経験なのだ。

こうして生産地を訪れる前は、このプロジェクトは学びの機会だと捉えていた。だけど今、TYPICA Labに参加して思うのは、コーヒーは人々をつなぐ「新しい火」だということ。生産者や農園のスタッフ、ロースターが集い、コーヒーという素晴らしい果実を囲む時間が、情熱や感情、感謝の気持ちを生んでくれる。

素晴らしい人たちとこの時間を共有できていることが幸せだ。世界中から集まった私たちは、「コーヒー」という同じ言語で会話しているのだ。

私たちのミッションは、この「火」をより多くの仲間へ届け、情熱を広げていくこと。

ロースターとして、私たちはこの「火」を決して絶やすことなく、その温もりを大切にしていきたい。

私たちは今、マー語(マサイ族の言葉)で「命の贈り物」を意味するンゴロンゴロの縁で、コーヒーという贈り物を受け取っている。