赤土の大地

成田空港から韓国を経由してエチオピアの首都アディスアベバ。

半日以上をかけて、僕の人生としては初めてのアフリカ大陸に降り立った。

すぐに国内線に乗り換えて向かったアワサ空港を出ると、目の前に広がっていたのは乾燥した広大な大地。イメージ通り、少しホッとした気分だった。

車で滞在先のホテルへと走る道中、ロバに乗った少年や、竜巻となり高く巻き上がる砂煙、目が合うと警戒混じりの笑顔で手を振るたくさんの現地の人とすれ違った。僕は確かにエチオピアに来ている。慣れた中南米では失われかけていた高揚感が胸の中から湧き上がる。

ホテルに着いて、メンバーみんなで今回の旅のテーマについて話し合った。それぞれのテーマを聞いて落とし込み、自分のテーマをブラッシュアップさせる。

共通していたのは「コーヒーのルーツで何を見出すか」ということ。言い換えると、コーヒー屋としての自分のアイデンティティを探しに来ているようだった。日々もちろん僕もその1人だし、永遠のテーマとも言えるだろう。

それぞれが自分の意思で降り立ったこのエチオピアの地での旅が始まる。どんな景色が広がっているのか、五感全てで楽しみたい。